





なんか…会話は聞くことが大切?…みたいなことを…言ってた…かな?




…私は愚かな人間です。

忘れて当然!人は忘れる生き物ですから!
それに、この『東大読書』に書いてある読書術を実践すれば、「だれでも」「長期間」読んだ本の記憶が維持できるようになりますから!

おしえて、しずくちゃん!

目次
書籍情報
タイトル:東大読書
著者:西岡壱誠
初版:2018.6.14
発行所:東洋経済新報社
ページ数:282ページ
著者、西岡壱誠さんってどんなひと?
歴代東大合格者ゼロの無名校のビリ(元偏差値35)だったが、東大受験を決意。あえなく2浪が決まったがけっぷちの状況で、「『読む力』と『地頭力』を身につける読み方」を実践した結果、みるみる成績が向上し、東大模試全国第4位を獲得。東大にも無事合格した。
現在は家庭教師として教え子に「『読む力』と『地頭力』を身につける読み方」をレクチャーする傍ら、1973年創刊の学内書評誌『ひろば』の編集長も務める。
『東大読書』より引用

「東大」って聞いてちょっと構えたけど、急に親近感わいちゃった。



ではさっそくこの本の内容について簡単に説明していきますね。

東大式読書術の身につけ方とは?
本書では、著者西岡壱誠さんを東大に導いた「記憶に残りやすい能動的な東大式読書術」の具体的な手順について紹介されています。
今回はその中でも私が特に重要だと思った点を3つに絞って解説していきたいと思います。それがこちら。
①読む前の準備で読書の効果は跳ね上がる
②記者になったつもりで著者と会話する
③本の中身をコンパクトに整理する
読む前の準備で読書の効果は跳ね上がる



この「準備」さえしておけば一気に本を読む難易度は下がり、効率的な読書にもつながるので、これをしないのは非常にもったいないことなんですよ。


でもだからこそ、まずはこの「準備」をするだけで周りの人と差をつけることができるんです。


「装丁読み」でヒントを集める
【「装丁読み」とは】
「装丁読み」とは本の帯やカバーといった装丁に書いてある言葉を読むことで、その本に書いてある内容のヒントを集める読書術のことです。
読書をする上ではこの、事前のヒント集めが読解力を左右すると言っても過言ではありません。
事実、東大生は決してほかの人に比べて本文を読みとる能力が特別高いというわけではなく、高いのは「文章外からヒントを得て予測をつける力」だということがわかっています。
特に本のタイトルや帯コメントにはその本の内容がぎゅっとまとめられているため、本文を読む上でこんなにもヒントとなる情報はありません。



でも具体的にはどうするの?ただ装丁に書いてある文を読むだけでいいの?

あっそうだ!しおりさん、今って『聞く力』持ってます?
せっかくの機会ですし、一緒にやってみましょう!

【装丁読みの方法】
装丁読みの方法はざっくり紹介すると以下の通り。
1、タイトルから情報を引き出す
2、表紙・帯から情報を引き出す
3、著者のプロフィールから情報を引き出す
そして、このようにして装丁から得られた情報は一つの情報につき1枚の付箋に書いておき、本文を読み進める中で頻繁に見返すようにします。
このときに付箋に書く内容は正しくなくても大丈夫ですので、自分が文章から推測した内容などもどんどん書いていきましょう。



(作業中)



自分が推測した内容も書かれているので非常に良い装丁読みだと思います。


「準備」はここで終わりではありません。もう一つの重要な読書術、「仮説作り」が残っています。
「仮説作り」で読む目的を明確にする
【「仮説作り」とは】
「仮説作り」とは、「装丁読み」によって引き出された情報とその本の目次をもとにして、自分がその本を読む目的やその手順の「仮説」を作ることです。
これはあくまで「仮説」ですので本の内容と多少のずれがあってもかまいません。
修正ポイントが見つかったらそのつど直していきましょう。
この「仮説作り」をしておくことで自分がその本を読む目的を明確にすることができるため、自分が読み込むべきポイントがわかりやすくなるのです。
また、読了後にこの仮説と実際のズレを確認することで、そのズレを他の本で補うなどの工夫をすることもできます。


【仮説作りの手順】
仮説作りの手順を簡単にまとめると以下の通りです。
1、ゴール地点の設定
2、スタート地点の把握
3、道筋の予測
①ゴール地点の設定
まずはゴール地点、つまり「なぜその本を読むのか」という目的の設定から行います。
読者によってこのゴール地点はさまざまですので、「自分が」その本に期待するものを書くようにしましょう。


ん~。じゃあ私はこの本のゴール地点を「初対面の相手とも円滑にコミュニケーションをとるためのスキルを学ぶ」にしようかな。
装丁読みの時にサブタイトルに「心をひらく35のヒント」っていう言葉を見つけたからね。
②スタート地点の把握
ゴール設定が終わったら、スタート地点、つまり自分は今どれくらいの位置にいるのかという「現状」の把握をしておきましょう。
同じ本を読む場合でも「完全な初心者」と「基本的な知識は持っている中級者」では読むべきポイントは変わってきます。
したがって、なるべく正確な道筋の設定をするためにもこの「スタート地点の把握」を欠かすことはできません。


③道筋の予測
最後に、②で決めたスタート地点から①で決めたゴール地点までの道筋を予測してみましょう。
この際には、装丁読みの情報に加えて本の目次も参考にします。



(作業中)





ここからは、いよいよ本文の読み方についてご紹介していきますね。
記者になったつもりで著者と会話する
まず基本となる文章の読み方として本書が提唱するのは「取材読み」という方法です。
「取材読み」とはその名の通り、読者が記者になりきり、著者に対して取材を行うようにして読むこと。
「ただ本の文字を最後まで追うだけの読書」では本の内容を自分のものにすることはできません。
記者がするように質問を考えながら、メモを取りながら、自分の頭で考えつつ能動的に本に向き合う。この姿勢こそ、「東大読書」に欠かせない要素なのです。




「質問読み」で能動的に本を読む
【「質問読み」とは】
「質問読み」とは簡単に言うと本文を読みながら著者の意見に対する質問を考え、またその質問に対する答えを見つけていく読み方のことです。
この「質問読み」の効果は多岐にわたります。
たとえば、「どうしてそうなるの?」「そういうことか!」などと考えながら本を読むことで感情という「色」を付けることができるため本の内容を長期間記憶することが可能になります。
さらに、1つの文から多くのことを思い浮かべる際の思考力、著者の話の展開を予測する際には読解力や論理的に物事を考える力が身につきます。

やっぱり感情的に読むと記憶に残りやすいんだね。

【質問読みの手順】
質問読みの手順は以下の通りです。
1、「質問」を探しながら読む
2、「質問」のページに付箋を貼る
3、「答え」のページに付箋を貼る
4、「重要な質問」はノートに写す

また、「質問」と「答え」にあたる文には線を引くなどして印をつけておきましょう。

なんか付箋の量がすごいことになったけど(笑)


わかりにくくてごめん!これしかなくて…。






しかし、ここで終わりではありません。しおりさんはこれらの内容を一言でまとめることができますか?

深く読み込んだ分、頭の中がちょっとごちゃごちゃしてる気が…

本の中身をコンパクトに整理する
著者、西岡壱誠さん曰く「『その本で著者が何を伝えたかったのか』を一言で言い表すことができなければ、『わかった気になっている』のと同じ」です。
そしてその「わかった気になる」を防ぐための読み方こそが「整理読み」。
「整理読み」とは本書の表現を借りると、「魚(本全体の内容)を骨(著者が言いたいこと)と身(それを補強する言説)にわける」ための読書術で、これをすることによって内容の理解度や読了後の記憶の定着率は格段に高まります。

まずは「要約読み」から見ていきましょう。
「要約読み」で一言にまとめる
【「要約読み」とは】
「要約読み」とは本の内容を一言でまとめることができるようになるためのいわば「訓練」にあたります。
したがって、現時点で「まったく要約ができない」という人も「要約読み」で訓練を重ねれば、これからご紹介する手順を踏まなくとも、自然と頭の中でできるようになります。
【要約読みの手順】
要約読みの手順は以下の通りです。
1、章ごとに重要な1文を抜き出す
2、その1文を踏まえて30字でまとめる
3、2で作ったまとめを参考に本の内容を140字にまとめる

重要な一文を抜き出すときは後から見返せるように、そのページにも付箋を貼っておきましょう。
ちなみにこれは本書の内容を簡略化してわかりやすくしたものなので、より本書に忠実に実践したい方は、ぜひ『東大読書』を実際に読んでみてください。

(要約読み実践中)
「推測読み」で次の展開を予想する
続いて「要約読み」とセットで行ってほしい「推測読み」についても解説していきます。
「推測読み」とは「要約読み」で作成した各章のまとめを参考にしながら、次の章の展開を推測しながら読み進めていくという読み方です。
推測の方法は大きく分けて、「例示」「比較」「追加」「抽象化・一般化」の4パターン。
この単語だけではイメージがわきにくいという方は、本書にて具体例が挙げられているため、それらを参考にすることをおすすめします。





これから訓練していけば、最終的には頭の中で整理しながら読み進めていくことができるはずです。


さらに本書では、複数の本を同時に読むことで多面的に物事を考える力をつける「検証読み」
要約読みをさらに発展させた「アウトプット要約」の方法など、今回紹介した内容のほかにもたくさんの読書術が掲載されています。



じゃあ『東大読書』を読んだ人は読書レベルが段違いじゃん!

読者の声
実際に本書『東大読書』を読んだ人はどのような感想を持ったのでしょう。
今回はTwitterに投稿された感想の中からいくつかをピックアップしてご紹介したいと思います。


私は『東大読書』の内容を知ったとしても、今みたいに実際にやってなかったら今まで通りの効率の悪い読書を一生続けてたと思う!
しずくちゃん、ありがとう!

この本のまとめ
それでは最後に『東大読書』の内容を簡単におさらいしたいと思います。
①読む前の準備で読書の効果は跳ね上がる
→「装丁読み」「仮説作り」
②記者になったつもりで著者と会話する
→「質問読み」
③本の内容をコンパクトに整理する
→「要約読み」「推測読み」
以上が『東大読書』の簡単な内容紹介になります。
また、本書ではこのほか「自分に合った本の選び方」といった内容も紹介されているため、「読書術」を広く深く学ぶことができます。
近頃、書店には「速読術」や「多読のすすめ」といった内容の本が多く見られますが、その一方で今回ご紹介したような「精読」もやはり思考力を鍛えるためには必要だと思います。
特にビジネス書においては、「今月は〇冊読めた!」ではなく「今月は本の内容を〇個実践できた!」というかたちを目指す方がよっぽど価値がある読書になるのではないでしょうか。
本の内容を実践するためには「精読」によって本の情報を自分の知識に「変換」させなければなりません。
『東大読書』は必ずやその手助けをしてくれることでしょう。


今回ご紹介する一冊は『東大読書』という本です。
突然ですが皆さんはこれまでに読んだ本の内容をどのくらい覚えていますか?