






しかし私は、名言というのは「どんな言葉を発したか」よりも「その言葉を発したのは誰か」ということの方が重要であるように思います。

「Byニーチェ」だからこそ説得力があるんだよね~。





書籍情報
タイトル:『14歳からの哲学入門』
著者:飲茶 (やむちゃ)
初版:2015.7.27
発行所:株式会社 二見書房
ページ数:348ページ






この本を書いた飲茶さんってどんな方なんだろう。

この本の著者、飲茶(やむちゃ)さんってどんなひと?
飲茶(やむちゃ)
北国生まれ。東北大学大学院卒。会社経営者。
哲学、科学、数学などの学問をわかりやすく解説する本を書いている。
著書に『哲学的な何か、あと数学とか』『14歳からの哲学入門』(二見書房)『史上最強の哲学入門』『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』(河出文庫)など。監修に『哲学ガールズ』(PHP研究所)がある。
『14歳からの哲学入門』より

『史上最強の哲学入門』ってタイトルだけで面白そう!




飲茶「史上最強の哲学入門」@yamcha789↓



本書の魅力
本書では、哲学初心者のための基礎的な知識がユーモアを交えて非常にわかりやすく親切に紹介されています。今回はそんな本書の魅力をを3つに絞って解説していきたいと思います。それがこちら。
①哲学の意義がわかる
②哲学の流れがわかる
③読者を惹きこむ語り口

哲学の意義がわかる
ここでは著者飲茶さんが語る哲学の意義についてご紹介したいと思います。まず、飲茶さんは本書において「哲学」を次のように説明しています。
哲学とは『価値』について考えることである。今までにない新しい『価値』を生み出したり、既存の『価値』の正体を解き明かしたりすることである。」
『14歳からの哲学入門』P40








そのため、当時未来に希望が持てなかった人々にとってこの価値観は救いとなったんです。


彼は、二〇〇年先の人類が抱えるであろう精神的な病をなんとかしようとし、西洋世界の価値観をひっくり返そうとしたのだ。 (省略) 一〇〇年先の彼が二〇〇年先を考えて哲学したのであれば、一〇〇年後の僕たちは、さらに二〇〇年先の人類のことを考えようではないか。




哲学の流れがわかる
本書に記されている哲学者は主に近代以降の哲学者であり、流れとしては以下のようになっています。
合理主義(デカルト・ヒューム・カント・ヘーゲル)
↓
実存主義(キルケゴール・サルトル)
↓
構造主義(レヴィ=ストロース・ウィトゲンシュタイン)
↓
ポスト構造主義(デリダ・ボードリヤール)
個人的にこの本で素晴らしいと感じた点は、上記の○○主義や哲学者を単体で説明するのではなく、「なぜこの世間の主流はこの考え方からこの考え方に変化していったのか」という点をしっかり説明している点です。
これらは一般的な参考書等では不足してしまいがちな部分ですが、先ほど述べた哲学の意義にのっとって考える上では欠かすことができない要素だと思います。
例えば、以下は本書において各主義の傾向を書き表した文章の抜粋です。
合理主義「はぁ? 宗教家(神さま主義)の連中なにやってんの? ぜんぜん信用できねーじゃん。もうこれからは、ちゃんと理性の力を使って合理的に物事を考えていこうぜ! そのためには、まずは、理性(認識)の機能や限界について、しっかりと考えていくべきだ!」
実存主義「はぁ? 理性の機能や限界なんか調べたって、人間についてわかるわけねーだろ。人間は機械じゃねーんだよ。そうやって人間を一般化して考えるから駄目なんだ。もっと人間が『自由で主体的な意志を持った現実の存在(実存)』だという前提で考えるべきだ!」
構造主義「はぁ? 人間が自由で主体的な意志を持っているだって? 人間の考えや行動なんて目に見えない構造に支配されているだけだろ(以下略)」
『14歳からの哲学入門』P314



読者を惹きこむ語り口
本書の魅力を語るうえで欠かせないのが著者飲茶さんのユーモラスな語り口です。前出の引用部分を読んでもらえばわかると思いますが、本書の文章ではこのようなしゃべり口調を所々織り交ぜて解説されているため、小難しい哲学者の思想も楽しく理解することができます。
たとえば、本書内で「ポスト構造主義のデリダが自分の考え方に対する反論をすべて自説の仕組みで説明してしまう」という内容を説明した記述がこちら。
「はーい、ずらせまーす。はーい、その言葉もずらせまーす。言葉というのは、唯一の意味を持ちませーん。いくらでも再構築できまーす。 え? 私の脱構築が間違ってる? はーい、その言葉もずらせまーす!」
『14歳からの哲学入門』P308





読者の声
実際に本書『14歳からの哲学入門』を読んだ人はどのような感想を持ったのでしょうか。今回はTwitterに投稿されたものの中からいくつかの感想をご紹介します 。
私が見る限り絶賛の嵐でした。この本のレビューをしておられる方の大半は哲学初心者だったのですが、みなさんそろって「非常にわかりやすい」という旨の感想を書いておられました。
また、この本をきっかけに飲茶さんの他の著作も読んでみたいという人も多くみられました。

まとめ
それでは最後に本書の内容を簡単におさらいしたいと思います。
①哲学の意義
→既存の価値観を疑い、新たな価値観をうみだすこと
②本書で学べる哲学の流れ
→合理主義から現代までの哲学史
③本書の語り口
→ユーモラスなしゃべり口調を織り交ぜている
以上が『14歳からの哲学入門』の書評になります。
いかがでしたか?
この本を読めば「哲学」というものが意外に幼稚な発想から生まれたものであり、私たちにとってかなり身近な存在だということを感じ取ることができるかと思います。
ネットの普及により情報過多な現代社会において、仕事や勉強に追われ多忙な日々を送る私たちだからこそ、「人間の本質とはなにか」「正しい社会の在り方とはどのようなものか」といった様々な哲学を通して自分自身と向き合い考える時間は大切なものなのではないでしょうか?
この本は気負わず楽しく読みすすめられます。少しでも哲学に興味がおありでしたらぜひ手に取ってみてください。自分自身の価値観を変える一冊となるかもしれません。

TwitterやInstagramもやっているのでそちらの方でも読書好きの皆様と繋がれたら嬉しく思います。
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本日ご紹介する一冊は、『14歳からの哲学入門』という本です。
突然ですが、皆さんは「哲学」に対してどのようなイメージを持っていますか?