



私って料理が得意でしょ?だから昔は栄養士になりたいって思ってたんだよね。
結局、今は普通のOLだけど。


でも…今でも時々「なんであの時自分のやりたいことをやらなかったんだろう」って思うことがあるんだよね。


…でもやっぱり今でも栄養士の方が魅力的かな。今の会社でこの先もずっと働くって考えたら気が滅入るもん。
かといって今から栄養士目指すのはなぁ。勉強大変そうだし…。



今のしおりさんの心情を聞く限り、それは以前の私や本書の主人公の心情と非常によく似ているのでこの本はぴったりだと思いますよ。

ねぇ教えて、しずくちゃん!!

わかりました。ではまずは本書の基本情報から紹介しますね。
目次
書籍情報
タイトル:夢をかなえるゾウ
著者:水野敬也
初版:2007.8.29
発行所:株式会社 飛鳥新社
ページ数:326ページ



著者の水野敬也さんっていったい何者なの?

では水野さんについて簡単にご紹介します。
この本の著者、水野敬也さんってどんなひと?
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。大学在学中に友人と新橋・新宿・渋谷の路上にて、1分100円で人をホメちぎる「ホメ殺し屋」を始める。ホメ殺し屋解散後、執筆活動を開始。処女作『ウケる技術』(共著)がベストセラーに。他の著作に『BAD LUCK』(インデックス・コミュニケーションズ)がある。
『夢をかなえるゾウ』より


「人をホメることの大切さ」は確かにガネーシャも言っていました。


まだ本のあらすじを説明していませんでしたね。
この本のあらすじ
そんな彼はある日、会社の付き合いで、数多くの有名人が参加するパーティーに行きます。しかしそこで目の当たりにしたのは平凡な自分とは対照的な華やかな世界。
彼は自分自身のコンプレックスを刺激され泥酔して帰り、インドで買ったゾウの置物に縋り付きます。
翌朝目覚めた主人公の前に現れたのはゾウのような姿をした神様、ガネーシャ。
ガネーシャは「変わりたい」と願う主人公に対し、成功してお金持ちになるための課題を出すことにしました。
この物語では、それらの課題に取り組むことで、ひとりの平凡な男が自分自身と向き合い成長していく様を描いています。


つまり読者はこの主人公と自分を重ねながらガネーシャからの課題について考えて実行していくってわけだね!

しかしここでは29個すべてについて解説するわけにもいかないので個人的に重要だと感じた点に絞って解説をしていきたいと思います。
この本のポイント
今回は本書におけるポイントを3つピックアップしてみました。それがこちら。
①人間の意識は変えられない
②成功する人は「運が良い」
③やりたいことの見つけ方

人間は意識は変えられない
「勉強をしよう」「ダイエットを始めよう」という具合に「~しよう」と決める。
ガネーシャによるとそれは「意識を変えた」とは言えません。ただ未来の自分に「期待」しているだけです。
ガネーシャはこの「期待」を「感情の借金」と名付け、このように語りました。
まだ何も苦労してへんのに、成功するかもしれへんていう『高揚感』を前借りして気持ちようなってもうてんねや。でもそのうち、そんな簡単に成功でけへん言う現実にぶちあたる。そんとき『先に気分よくなってたんやから、その分返してもらいましょ』て返済をせまられて、へこむことになるわな。これを繰り返すことで、どんどんやる気がのうなってく」(中略)
「そうやって、人は夢を失くしていくんやで」
『夢をかなえるゾウ』P248
この言葉からもわかるように人間は非常に意志の弱い生き物です。
では、なぜ人は「意識を変えよう」とするのでしょう。その回答としてガネーシャは次のように答えました。
『楽』やからや。その場で『今日から変わるんだ』って決めて、めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するの楽やろ。だってそん時は想像しとるだけで、実際には全然頑張ってへんのやから。つまりな、意識を変えようとする、いうんは、言い方かえたら『逃げ』やねん」(中略)
「本気で変わろ思たら、意識を変えようとしたらあかん。意識やのうて『具体的な何か』を変えなあかん。具体的な、何かをな」
『夢をかなえるゾウ』P115
この場合の「具体的な何かを変える」と言うのは「決めたことを実行するための環境を変える」ことを指します。
本書では「テレビを見ないようにする」と決めた主人公に対し、ガネーシャは「テレビのコンセントを抜く」ことで主人公の「行動」を変えるための環境を作り出します。











成功する人は「運が良い」
そもそも「運が良い」「運が悪い」というのはすべて人それぞれの考え方の違いによるものです。
本書ではエジソンの『この実験が失敗だとわかったからまた一つ成功に近づいた。だから成功なんだ。』という名言を例に挙げて説明しています。
エジソンのように「たとえ失敗してもその理由を分析することによって成長することができる。だから失敗できた自分は運が良い」と考えられる人こそ成功をつかみ取ることができるのです。
ですから、自分とって一見不都合なことが起きたときまずは「私は運が良い」と口に出してみましょう。
そしてなぜ運が良いのか、つまり「この経験が自分に与えてくれたものは何なのか」を分析してみてください。





えっと、つまり…あの本で挫折したおかげで、私に合ってる本がわかった。
だから私は「運が良い」!

やりたいことの見つけ方
では、「そもそも自分のやりたいことがわからない」という人はどうすれば自分のやりたいことが見つかるのでしょうか。
それは「やらずに後悔していること」を「体感すること」だとガネーシャは言います。
逆に一番駄目なのは「考えること」
ありきたりな言葉に聞こえますが、実際に体感してみる人は実はほとんどいません。
「今日は仕事が忙しいからまた今度」
「とりあえず今はお金ないからある程度貯金ができたらやろう」
そんな言い訳に心当たりはないですか?
このように人間はやらない理由をつくるのが上手いんです。だからこそ多くの人は「考える」という段階から先に進むことができません。
さらに、時間がたつにつれ、やらない理由はどんどん増えていきます。そして結局、一歩も踏み出せないまま諦めてしまうのです。

「お金がない」「時間がない」
なのに人付き合いと称して飲み会には参加して…



読者の声
本書『夢をかなえるゾウ』を読んだ人はどのような感想を持ったのでしょうか。今回はTwitterに投稿されたものの中からいくつかご紹介します。
感想にもあるように、本書はかなり核心に迫った重たい内容なのにも関わらず、関西弁をしゃべる一見自堕落なゾウの神様とツッコミ役の主人公のおかげでかなり軽快に読み進めることができます。
また、読了後は「自分もこうしよう!」とやる気に満ちている様子が感じ取れますね。
しかし、本書のポイント「①人間は意識を変えることはできない」でも紹介した通り、この中で実際に行動に移せた人は果たしてどれほどいらっしゃるのでしょう?
本書を読んで満足しているだけの人はまさにガネーシャの言うところの「感情の借金」をしている状態です。
「自分は変われるかもしれない」と「期待」という名の借金をして変われなかったとき、そのツケは自己嫌悪となって返ってきてしまいます。
そうして自己嫌悪という名の借金のせいで追い込まれ夢をあきらめてしまう。その結果、また「いつものパターン」に戻るだけ。
そのうち本書の内容もすぐに忘れてしまうことでしょう。
さらにはガネーシャの言いつけも忘れ、あの本を選んでしまったのは「運が悪かっただけだ」と、違う本を読んでみては同じ過ちを何度も繰り返してしまうのです。



これらの人たちに共通するのはガネーシャの「課題そのもの」に気を取られ過ぎたからだと私は思います。

じゃあやっぱり「課題そのもの」が一番大事なんじゃないの?

「ワシが教えてきたこと、実は、自分の本棚に入ってる本に書いてあることなんや。ワシの教えてきたことには何の目新しさもないんやで」


たしかに「課題そのもの」について書いてある本はほかにもたくさんあるもんね。
そんな中、この本と出会えた私って本当に「運がいい」!

ちなみにこの場合「課題に意味がない」=「この本はだめだ」と考えるのが「運が悪い」側の発想ですね。
この本のまとめ
それでは最後に本書の内容を簡単におさらいしてみましょう。
①人間は意識は変えられない
→「意識」ではなく「行動」を変える
②成功する人は「運が良い」
→「運が良い」理由を分析する
③やりたいことの見つけ方
→「考える」のではなく「体感」する
以上が水野敬也著『夢をかなえるゾウ』の書評になります。
また本書では今回とりあげた内容のほかにもさまざまな教えや偉人たちのエピソードがふんだんに盛り込まれています。
本書の主人公は平凡な会社員という設定でしたが、たとえ華やかに見える人であっても、多かれ少なかれ「自分を変えたい」という思いは持っているものです。
また、いわゆる成功者だって最初は失敗を何度も経験して主人公が物語冒頭で感じた劣等感を抱いたはずです。
この本はなにも「起業して大金持ちになりたい」というような人のみを対象にしているわけではなく、現代社会に生きるすべての人にとって重要なノウハウを授けてくれる本です。
この機会にこの本を通して自分と向き合ってみてはいかがでしょうか。
そして読み終わったら、ガネーシャの教えを過去のものにしてしまわないよう必ず行動に移すことが大切です。

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今回ご紹介する一冊は『夢をかなえるゾウ』という本です。
突然ですが、皆さんは現在、自分が本当にやりたかったことができていますか?